運動後に気持ち悪くなる?それ運動後低血圧かも…原因や予防法について徹底解説!
近年、在宅勤務が広まったことから外出の機会が減り、運動不足の人が増えました。そのため、体がなまらないように運動をしようと考えている方も多いと思います。
その際、運動後に気持ち悪くなったり、めまいを感じたりすることはありませんか?
その症状、運動後低血圧かもしれません。
|運動後低血圧とは?
運動後低血圧はPEH(Post-exercise.Hypotension)とも呼ばれている低血圧の一つの種類になります。
✔️主な症状
・気持ち悪さ
・めまい
・吐き気
・失神
上記の症状は、名前から察するように、どれも運動をした後に起こるのが特徴です。
駅伝の選手がゴール直後に失神して、倒れこんでしまうのも、運動後低血圧が原因とされています。
また、筋肉を極限まで追い込むトレーニングを行う、ボディビルの選手にも起こりやすい症状です。
|そもそも「血圧」とは?
「血圧」は日常生活の中で聞いたことがある言葉だと思いますが、私たちの体の中でどのような役割を担っているんでしょうか?
そして、血圧を測ると「最高血圧」と「最低血圧」というものが表示されますが、どんな意味をもった数値なんでしょうか?
それらを踏まえて、血圧について深掘りして解説していきます。
|血圧とは?
まず、私たちの心臓はポンプのように収縮を休むことなく繰り返しています。
血圧とはその際、心臓から送り出された血液が血管の内側の壁を押す力(圧力)のことをいいます。
|最高血圧(収縮期血圧)とは?
最高血圧(収縮期血圧)は心臓が血液を送り出すために、心臓の筋肉をぎゅっと収縮させた時の圧力のことをいいます。
|最低血圧(拡張期血圧)とは?
最低血圧(拡張期血圧)は、心臓の筋肉が広がった時の圧力のことをいいます。
血圧は年齢や測定場所などによっても、基準値が少し変わってきますが、WHO(世界保険機関)では以下のように定義されています。
若年者・中年者・前期高齢者(〜75歳までの方)
低血圧 |
正常値 |
高血圧 |
100mmHgかつ80mmHg未満 |
140mmHgかつ90mmHg未満 |
140mmHgかつ90mmHg以上 |
|血圧の役割
血圧は、私たちの体が必要とする酸素や栄養分を体の各部分に供給できるように血液を循環させる役割があります。
血液や酸素が循環しないと、私達の体は機能することができないのです。
|運動後低血圧の原因とは?
1.運動をあまりしていない人
2.体に高負荷をかけた運動
これらに当てはまる人は注意しながら適度に運動をしたほうがいいでしょう。
1.運動をあまりしていない人
日頃の運動量が少ない人が、最初からハードな運動をしてしまうと、心拍数が高くなり、血圧が急激に低下しやすくなります。
心拍数が高くなると心臓から流れ出る血液量が多くなり、血液を筋肉に送るために血管が拡張され、血圧低下につながるのです。
そして、血圧が低下すると脳に血液がいかず、酸素が供給されないことで酸欠状態になり、めまいや気分不良、失神などを引き起こしてしまいます。
2.体に高負荷をかけた運動
体に高負荷をかける筋力トレーニングや短距離走などの運動をしていると、運動後低血圧を引き起こすといわれています。
高負荷をかける運動として、スクワットや腕立て伏せ、ダンベルなどもあります。
フィットネスジムなどに通われている人も多いと思いますが、普段から鍛えている人でも引き起こす可能性がある為、気をつけた方がいいでしょう。
|運動後低血圧の予防法とは?
1.呼吸をしっかりする
2.休憩をしっかりとる
3.自分のレベルに合った負荷と量で行う
4.水分摂取をする
5.ストレッチやウォーキングなどを行う
1.呼吸をしっかりする
トレーニングをしていると、呼吸を十分にすることを忘れてしまったり、雑になってしまいがちです。
筋力トレーニングでは筋肉に力を入れるときに、「息を吐く」、力を抜くときに「息を吸う」のが確立された方法になります。
酸欠状態にならない為にも、しっかり意識し呼吸をしましょう。
2.休憩をしっかりとる
急いでいたり、気分が良くなってくると休憩を忘れてしまう時はありませんか?
休憩をしないで運動をし続けると酸素不足になり、気分が悪くなることがあるので、時間に余裕を持ち、休憩時間をとることが大事になります。
心配な方は長めに休憩をとり、身体を落ち着かせてから運動を行いましょう。
3.自分のレベルに合った負荷と量で行う
「早く筋肉をつけたい」「早く体力をつけたい」などと気持ちだけが焦ってしまう時があるかもしれませんが、いきなり体に高負荷をかけると運動後低血圧になりやすいです。
まずは、自分の体に合った運動と運動量を行うようにしましょう。
筋トレなどを始めたばかりの人は、最初物足りなく感じるかもしれませんが、少しずつ負荷を増やし、体を慣れさせるのが大事です。
普段からランニングなどで心肺機能を強くしておくことで、低血圧を改善する可能性がありますが、低血圧の方は毎日ではなく、週に2〜3回の目安で行うことをおすすめします。
4.水分摂取をする
運動をして汗をかくと、血管内の水分と塩分を体外に排出する働きすることにより、血圧が下がりやすくなると言われています。
また、ある大学の研究で運動中に水分摂取をしない場合、運動後60分間の血圧を観察した結果、30分後から血圧が低下するという結果があります。
ですが、運動中に水分摂取を行えば、運動後低血圧がほぼ消失することが明らかになっています。
運動に限らずですが、水分摂取は予防の一つとして大事になってくるので、こまめに摂取を行いましょう。
5.ストレッチやウォーキングなどを行う
運動後低血圧は、下肢の筋肉と心臓の働きが合わず、それぞれ落ち着くまでに時間差があることも原因として関係しています。
運動後にウォーキングやストレッチなどの有酸素運動を行い、クールダウンさせることが予防につながります。
ただし、1時間以上の有酸素運動は反対に基礎代謝を下げてしまう為、20分〜30分の時間を目安に行うといいといわれています。
|最後に
いかがだったでしょうか?
運動をすることは、とても大切で必要不可欠なものですが、「運動のやり方」を誤ってしまうと、かえって体調が悪くなってしまったりと本末転倒な結果になってしまいます。
原因や予防を理解し、自分に合った運動を行えば、効率よく結果を感じられます。
運動の種類はさまざまありますが、深い呼吸をしながら、心拍数が急激に上がることなく体を鍛えられるピラティスなども有酸素運動が苦手で続かない人におすすめされています。
運動後に気持ち悪くなる原因としては貧血や低血糖なども考えられるので、ひどい時には自己判断ではなく、病院へ受診することもおすすめします。
「正しい運動」を継続し、健康な体作りをしていきましょう!